【目次】日本エディタースクール編『造本の科学(上)—造本篇—』

日本エディタースクール出版部発行、1983(昭和57)年9月。

オビ文は次のとおり。

現場の第一人者が語る造本技術の精髄
本は著作物と造本技術の結晶である。内容を正確に伝えるとともに、美しく読みやすい本をどう作るか。本づくりの実作業を受けもち、本づくり一筋に研鑽されている現場の製作技術者が、造本設計、装幀、書き文字、製本、製函、紙の各分野について、その技術と経験のすべてを公開する。

 オビ裏に同書下篇として「印刷篇」が紹介されている。内容は次のとおり。

●活字組版の話 ●写植文字の話 ●写真製版の話 ●活版印刷の話 ●オフセット印刷の話 ●グラビア印刷の話——1983年7月刊予定

下篇が刊行されたようすはない。

もくじ

はじめに

造本の科学(藤森善貢) ・・・・・・ 1
 1 造本目的にあった造本設計をする
   ・「造本の科学」とは何か
   ・本がよく開くということ
   ・装幀と文字
   ・レイアウトの適性ということ
 2 印刷と製本の接点を考える
   ・活字と紙とインキ
   ・印刷の適性ということ
   ・印刷と製本の接点
   ・仕上がりシロの効用
 3 製本を科学的に考える
   ・本の断裁
   ・製本の適性ということ
   ・製本様式の長所・短所
   ・本の丸みと開きとの関係
   ・表紙と見返しと扉の関係
   ・装幀材料と箔押し
   ・外函の効用
 4 出版社内の問題点
   ・新刊書にみられる造本の問題点
   ・出版物の製作構造と出版社の組織
 5 本づくりをどのように考えるか

本の読みやすさについて—活字の大きさと組方の変化—(藤森善貢) ・・・・・・ 61
 1 本の読みやすさと眼のはたらき
 2 わが國書籍の活字の使われ方
   ・明治前期(20年前後)までの活字の使われ方
   ・明治後期(20年以後)の活字の使われ方
   ・大正時代の活字の使われ方
   ・昭和前期・20年までの活字の使われ方
   ・昭和20年以後の活字の使われ方

装幀の話(藤森善貢) ・・・・・・ 83
 1 装幀の実際
   ・本はどのようにみられているか
   ・出版社のカラーと書誌学的要素
   ・頭の中で描く—束(装幀)見本を作成する—
   ・ラフスケッチからデザインの決定
   ・版下原稿の作成と製版
 2 装幀を流れとしてとらえる
   ・文字
   ・色彩
   ・材料の生かし方

書き文字の話(五島治雄) ・・・・・・ 101
 1 木版の時代
   ・教科書体の活字が生まれる前後
   ・教科書にも多用された木口木版
   ・味があった木版の活字
 2 字を生かすことが大切
   ・製版所との協力が不可欠
   ・書き文字は生きていなくては
   ・縦組の棒の比率、はね、こぶ、筆押え
 3 明朝体とゴシック体をまず会得
   ・書き文字の基礎は明朝体
   ・いい字を書こうと思うなら……
   ・ゴシック体に一番個性が出る 
 4 機械的な処理はできない
   ・書き文字は平体が多く使われる
   ・平仮名、片仮名の書き方
   ・文字のバランスをどうとるか
 5 経験と努力の積み重ねがいい字を生む
   ・視覚上のバランスをとりながら書く
   ・納得のいく仕事は楽しいもの

製本の話(牧経雄・佐々木正康) ・・・・・・ 133
 1 特許のことなど
   ・手作業の機械化を考える
   ・電車のスプリングを背貼紙に応用
   ・紙を切るにもいろいろ分析する
   ・折っただけで本が出来る特許
 2 本づくりに奉仕する
   ・落丁・乱丁防止に万全を期す
   ・角背ホローバックで工夫したこと
   ・どこまでも細かく気を配る
 3 刷本の引取りからかがりまで
   ・刷本を引取ることから
   ・一部抜き
   ・突きそろえと裁ち割り
   ・紙折
   ・別丁貼り込み
   ・見返しごしらえ
   ・台分け・目合せ
   ・丁合い
   ・糸とじ(かがり)
 4 ならしから背固めまで
   ・ならし—ひら締め—仮固め
   ・仕上げ裁ち(化粧裁ち)
   ・丸み出し—バッキング
   ・背固め
 5 表紙づくり
   ・表紙貼り
   ・箔押し
 6 表紙くるみと仕上げ
   ・表紙くるみ
   ・仕上げ
 7 仮製本と無線とじ
   ・仮製本
   ・無線とじ
 8 製本適性のある材料を選ぶ
   ・クロスは収縮の少ないものを
   ・初めて使うものはサンプルで試験をする
   ・印刷と製本の連係プレイ

製函の話(加藤義夫) ・・・・・・ 201
 1 束見本が生命
   ・製函業のむずかしいところ
   ・本がスルスルと出てくるように
   ・ボールの縦目と横目
 2 材料の使い方
   ・ボールの選択と吟味がたいせつ
   ・上貼紙にもいろいろあるが……
   ・正確で適切な指示がいい仕事をさせる

紙の話(青木喬) ・・・・・・ 217
 1 紙はどのようにつくられるか
   ・紙の原料、パルプ
   ・パルプとは何か
   ・紙の原料の調成
   ・抄紙
   ・塗工(コーティング)
   ・仕上げ・製品化
 2 紙にはどんな種類があるか
   ・紙の分類
   ・印刷用紙—非塗工紙
   ・印刷用紙—塗工紙
 3 紙の品質
   ・紙の基本特性
   ・光学的特性
   ・表面性と多孔性
   ・強度特性
   ・方向性と二面性
   ・その他の特性
 4 出版と用紙
   ・本文用紙
   ・口絵用紙
   ・表紙用紙

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